今日は、以前にもご紹介した今日は大前研一著の本「ロウアーミドルの衝撃」に登場するストリート・スマート」についてお届けします。

 ストリート・スマートとは、「街中で育った」という意味で、実社会で経験を積んでのし上がってきた人をさします。人間関係の構築が得意で、失敗してもへこたれず、道なき道を独自の嗅覚で突破していく人で、かつて戦後の混乱の中から世界有数の起業を立ち上げた、松下幸之助氏、本田宗一郎氏、川上源一氏などのようなタイプのことです。

 一方、アカデミック・スマートとは、学校の成績が良く、決められたことを効率よくこなすのが得意な人をさします。これまで日本のエリートとされてきたのはこのタイプであるが、経験のない新しい事態に直面したときの対応力がなく挫折してしまうようなタイプのことです。

 大前氏はこの本の中で、以上の2種類のタイプの人を取り上げて、日本にとってもっとも重要かつ緊急の課題は教育改革であると、北欧諸国の教育事例を上げながら、以下のように主張しています。

○現在の日本のような混乱の時代に求められるのは、現実の中で自ら考え、答えのない問いに自分なりの答えを見つけ出していくストリート・スマートである。北欧がノキアに代表されるような企業を創出し、経済の低迷から脱却できた理由は、まさにストリート・スマートを生み出す教育にあった。

○北欧の教育現場では、「teach(教える)」という言葉が禁じられ、「learn(学ぶ)」を使う。「教える」とは答えがあることを前提とし、それを知っている人間が教えるという考え方だ。だが、二十一世紀の今日、世の中で答えのない問題だらけである。だから子供たちが自ら学びとるという考え方を徹底しているのだ。デンマークの学校教育関係者の話では、教師は「1クラス25人全員が違う答えを言ったときが最高だ」と話していたほどだ。


 以上、大前氏の本から私が心に残っている言葉をお届けしました。

 なぜ心に残っているのかというと、「起業家育成」と「地域振興」に繋がると考えているからです。

 まさに、「ストリート・スマート」は起業家であり、「北欧の教育」は起業家育成であるからです。ここのところは皆さんも同意していただけそうですが、私は「地域振興」にも繋がると考えています。

 北欧諸国のGDPは日本のGDPに比べてかなり小さいので、北欧の経済成長方法がそのまま日本にも通用するとは、経済規模の観点からも言いがたいものがあります。
 しかし、日本を各地域(エリア)にわけて考えると、北欧諸国と同じGDP規模になります。また現在の日本は、北欧と同様に成熟社会であります。
 地域が独立して北欧諸国のような教育を長期的に行っていくことで、ストリート・スマート(起業家)が地域にあふれ、いろんな人々が地域で活動することによって地域経済の活性化が図れるものと考えています。結果的に地域に「人」が増えてくるはずです。
 経営資源で「人」が一番大事なように、地域資源でも「人」が一番大事です。

 各地域が元気になれば、日本も元気になるはずです。

 以上のような教育のひとつの場として、インキュベーションセンター(起業支援施設)が機能するのではないかと思っています。

 「教育」と「地域振興」が繋がると、皆さまは思いますか?